参院選ですね。
投票したい先はないけれど、とりあえず無効票を投じるとしても選挙には行く主義なので、行く予定です。
昔からずっと「まったく支持したい候補者がいない」と思ってきましたが、先日、自分の中で「それが何故か」理解しました。
この場合の「支持したい」というのは、公約等の「主義主張」的な話ではなく、もっと直感的な、肌感覚的な「なんとなく好きか嫌いか」そんなレベルの話です。
例えば、公約レベルでは「うむ、とても私の考えと一致するぞ」という候補者がいたりする。
けれど、実際に投票するかと言われると、「でも、なんとなくこの人嫌だなぁ」と思ってしまう。
それがなんでか、が(自分の中で)氷解したという話です。
単純な理屈でした。
要は、自分が「拗ね者」だからです。
思うに、選挙に立とうという人は、 少なくとも学生時代や若かりし頃、「周囲の人気モノ」であった人が多い。
学校の生徒会選挙などで勝ってきた人々です。
そういう「人気取り」に自信があるからこそ、投票という、どんなに頑張っても「人気」に結果が左右される舞台で、戦ったり、己の主義主張を通そうとするのだと思います。
志の有無を問わず、「選挙で自分が戦える」という自信です。
そしてその自信こそ、自分にはまったく皆無なモノです。
自慢じゃありませんが、私は幼少期からあまり人望がないし、何度も言うように異性受けに至っては地を行くレベルです。
同性のクラスメートなどには好かれる方でしたが、「信頼できるタイプ」とは思われていなかったのは絶対です。
中学の時のクラスアンケートでは、「詐欺師に向いてそう」と言われ、大学時代の塾講師時代には、生徒アンケートで「教師が信頼できない」にマルをされました。
そういう、「人気面」に関して薄暗い感情のある私が、選挙で戦おうとする人々に好感を抱くはずがありません。
謎は解決です。
解決しましたが、さぁ困りました。
この先の人生ずっと、投票先がないのかしら……。
(ちなみに過去の選挙で投票した人が当選した経験はゼロです。どんだけマジョリティと気が合わないのか)
さて、与太話が長くなりましたが、表題です。
今回の選挙で、一番意見が一致している公約というのは、これじゃないでしょうか。
「最低賃金の引上」。
反発を受ける要素がないうえ、最低賃金というものは、基本的に変わらないか上がるだけなので、絶対に守れる公約になりますからね。
今回は(東京の)最低賃金を最終的に1,000円以上にするという話題が目を引きますが、既に秋に向けて20円以上の引上げが検討されていますから、ますます、公約しやすいのでしょう。
正直、どこの政党が勝っても「ある程度は守れる公約」です。
しかし、私はナントカの一つ覚えのように言われている「最低賃金引上」について、「単なる引上」はむしろ逆効果なのではないかと懐疑的です。
なぜならば、最低賃金の値上はパート労働者以外の給与の値上に影響しないからです。
ただただ、低所得の正社員の収入が、限りなく最低賃金に近づくだけです。
また、派遣社員、契約社員も、多くの人は時給1,100円以上はもらっているでしょうから、最低賃金がちょっとばかり上がっても、自分の給与には関係ありません。
結局、最低賃金で働いている人の多くは、本来の意味のアルバイト・パート労働者であって、その多くは、その収入が一家の生計の中心とはなっていないのです。
高校生のアルバイトや、家計の足しにと週3日ほどパートしている主婦の収入が、月に数百円増えても意味はないのです。
もちろん、世の中には、最低賃金の労働で生活せざるを得ない人も多いでしょう。
そういう社会に対して、対策は必要です。
でもそれは、最低賃金ではなく社会福祉で対策すべき話だし、その人たちだって月収が数千円増えても、真の解決にはいたらないのです。
それどころか、「時給1,100円以上はもらっていた」労働者(正規・非正規問わず)の賃金が下がる恐れもあります。
企業としては、最低雇用ができるアルバイトにかかる経費が上がる訳ですから、どこかで採算を取らなければならなくなります。
結局、ワーキングプアの問題というのは、最低賃金の引上げで対応できる話ではなく、会社の給与体系や、労働に対する賃金の評価制度が貧弱であることを、注視すべきなのです。
働きだした最初の年は時給907円でも良いのです。
けれど、それが10年経っても、時給907円であることに問題があるはずです。
もちろんその給与が、その会社の本当の限界ならそれも仕方ない部分もある。
(中小企業などで、社長でさえロクに給与をもらっていない会社など)
でも多くの会社では、明らかに不公平な富の分配が行われている。
「非正規だから」「中途入社だから」という理由で、いつまでも給与の上がらないベテランがいる。
そのうえ、非正規であるにも関わらず、正社員並の帰属意識を要求される会社もある。
こういう問題をどう解決したらいいのか。
私はとりあえずは、大企業の雇用における非正規社員の雇用数を制限すべきだと思いますし、また企業においては人件費の配分を最低限ルール化すべきだと思っていますが、まぁそんな簡単な話ではないでしょう。
とてもこんがらがっている。
また、最低賃金の引上自体が必要だとしても、どう考えても「東京」にしか目がいっていないのも気になります。
問題とすべきは、東京の最低賃金を1,000円にするか否かではなく、地方との最低賃金の格差是正ではないでしょうか。
たとえば東京と沖縄では、最低賃金に200円以上の開きがあります。
これは一日8時間22日間労働の月換算で、35,200円の賃金格差です。
確かに、普段の生活をする上では、東京は家賃にしろ食材にしろ飲食店にしろ地方より高価でお金がかかるので、一概には言えないと思います。
けれど、いくらなんでも200円は開きすぎなのでは…。
そしてさらに言えば、東京の最低賃金が1,000円となったとき、地方の最低賃金が800円になるかも疑わしいように思います…。
こんなふうに考えるべきことが山住であるにも拘わらず、「(東京の)最低賃金の引上げ」が、まるですべての解決手段であるかのように語られていることに違和感を感じます。
それは、分かりやすい「目先の数字」を用いた、まやかしじゃないのか。
そして、会社側の立場としても、最低賃金があまり高額にされると、本当に「どうやっても守れない」会社が出てくると思います。
犯罪学では「割れ窓理論」という考えがありますが(知らない人はぐぐってください)、私は、最低賃金の無謀な引上げが、「割れ窓」を生まないかという危惧もしています。
「サービスアルバイト」も増えそう…。
それから、社会保険料の問題もあります。
社会保険料は、年々上がっていて、この先も一定額まで上がることは決まっています。
そこが上がっては、少しばかり時給が上がっても何の意味もありません…。
低所得サラリーマンとしては、自分への効果がまったく感じられない最低賃金の値上よりも
・労働基準監督署の働きを強化させ、中小企業であってもルールを守らせる。
・社会保険への加入義務について、運用を厳格に行う
・個人事業主や会社経営者と、サラリーマンの所得税申告における不平等を減らす※
が、まずは第一と思いますが・・・。
※これについてもおもうところがあるのでまた今度
投票したい先はないけれど、とりあえず無効票を投じるとしても選挙には行く主義なので、行く予定です。
昔からずっと「まったく支持したい候補者がいない」と思ってきましたが、先日、自分の中で「それが何故か」理解しました。
この場合の「支持したい」というのは、公約等の「主義主張」的な話ではなく、もっと直感的な、肌感覚的な「なんとなく好きか嫌いか」そんなレベルの話です。
例えば、公約レベルでは「うむ、とても私の考えと一致するぞ」という候補者がいたりする。
けれど、実際に投票するかと言われると、「でも、なんとなくこの人嫌だなぁ」と思ってしまう。
それがなんでか、が(自分の中で)氷解したという話です。
単純な理屈でした。
要は、自分が「拗ね者」だからです。
思うに、選挙に立とうという人は、 少なくとも学生時代や若かりし頃、「周囲の人気モノ」であった人が多い。
学校の生徒会選挙などで勝ってきた人々です。
そういう「人気取り」に自信があるからこそ、投票という、どんなに頑張っても「人気」に結果が左右される舞台で、戦ったり、己の主義主張を通そうとするのだと思います。
志の有無を問わず、「選挙で自分が戦える」という自信です。
そしてその自信こそ、自分にはまったく皆無なモノです。
自慢じゃありませんが、私は幼少期からあまり人望がないし、何度も言うように異性受けに至っては地を行くレベルです。
同性のクラスメートなどには好かれる方でしたが、「信頼できるタイプ」とは思われていなかったのは絶対です。
中学の時のクラスアンケートでは、「詐欺師に向いてそう」と言われ、大学時代の塾講師時代には、生徒アンケートで「教師が信頼できない」にマルをされました。
そういう、「人気面」に関して薄暗い感情のある私が、選挙で戦おうとする人々に好感を抱くはずがありません。
謎は解決です。
解決しましたが、さぁ困りました。
この先の人生ずっと、投票先がないのかしら……。
(ちなみに過去の選挙で投票した人が当選した経験はゼロです。どんだけマジョリティと気が合わないのか)
さて、与太話が長くなりましたが、表題です。
今回の選挙で、一番意見が一致している公約というのは、これじゃないでしょうか。
「最低賃金の引上」。
反発を受ける要素がないうえ、最低賃金というものは、基本的に変わらないか上がるだけなので、絶対に守れる公約になりますからね。
今回は(東京の)最低賃金を最終的に1,000円以上にするという話題が目を引きますが、既に秋に向けて20円以上の引上げが検討されていますから、ますます、公約しやすいのでしょう。
正直、どこの政党が勝っても「ある程度は守れる公約」です。
しかし、私はナントカの一つ覚えのように言われている「最低賃金引上」について、「単なる引上」はむしろ逆効果なのではないかと懐疑的です。
なぜならば、最低賃金の値上はパート労働者以外の給与の値上に影響しないからです。
ただただ、低所得の正社員の収入が、限りなく最低賃金に近づくだけです。
また、派遣社員、契約社員も、多くの人は時給1,100円以上はもらっているでしょうから、最低賃金がちょっとばかり上がっても、自分の給与には関係ありません。
結局、最低賃金で働いている人の多くは、本来の意味のアルバイト・パート労働者であって、その多くは、その収入が一家の生計の中心とはなっていないのです。
高校生のアルバイトや、家計の足しにと週3日ほどパートしている主婦の収入が、月に数百円増えても意味はないのです。
もちろん、世の中には、最低賃金の労働で生活せざるを得ない人も多いでしょう。
そういう社会に対して、対策は必要です。
でもそれは、最低賃金ではなく社会福祉で対策すべき話だし、その人たちだって月収が数千円増えても、真の解決にはいたらないのです。
それどころか、「時給1,100円以上はもらっていた」労働者(正規・非正規問わず)の賃金が下がる恐れもあります。
企業としては、最低雇用ができるアルバイトにかかる経費が上がる訳ですから、どこかで採算を取らなければならなくなります。
結局、ワーキングプアの問題というのは、最低賃金の引上げで対応できる話ではなく、会社の給与体系や、労働に対する賃金の評価制度が貧弱であることを、注視すべきなのです。
働きだした最初の年は時給907円でも良いのです。
けれど、それが10年経っても、時給907円であることに問題があるはずです。
もちろんその給与が、その会社の本当の限界ならそれも仕方ない部分もある。
(中小企業などで、社長でさえロクに給与をもらっていない会社など)
でも多くの会社では、明らかに不公平な富の分配が行われている。
「非正規だから」「中途入社だから」という理由で、いつまでも給与の上がらないベテランがいる。
そのうえ、非正規であるにも関わらず、正社員並の帰属意識を要求される会社もある。
こういう問題をどう解決したらいいのか。
私はとりあえずは、大企業の雇用における非正規社員の雇用数を制限すべきだと思いますし、また企業においては人件費の配分を最低限ルール化すべきだと思っていますが、まぁそんな簡単な話ではないでしょう。
とてもこんがらがっている。
また、最低賃金の引上自体が必要だとしても、どう考えても「東京」にしか目がいっていないのも気になります。
問題とすべきは、東京の最低賃金を1,000円にするか否かではなく、地方との最低賃金の格差是正ではないでしょうか。
たとえば東京と沖縄では、最低賃金に200円以上の開きがあります。
これは一日8時間22日間労働の月換算で、35,200円の賃金格差です。
確かに、普段の生活をする上では、東京は家賃にしろ食材にしろ飲食店にしろ地方より高価でお金がかかるので、一概には言えないと思います。
けれど、いくらなんでも200円は開きすぎなのでは…。
そしてさらに言えば、東京の最低賃金が1,000円となったとき、地方の最低賃金が800円になるかも疑わしいように思います…。
こんなふうに考えるべきことが山住であるにも拘わらず、「(東京の)最低賃金の引上げ」が、まるですべての解決手段であるかのように語られていることに違和感を感じます。
それは、分かりやすい「目先の数字」を用いた、まやかしじゃないのか。
そして、会社側の立場としても、最低賃金があまり高額にされると、本当に「どうやっても守れない」会社が出てくると思います。
犯罪学では「割れ窓理論」という考えがありますが(知らない人はぐぐってください)、私は、最低賃金の無謀な引上げが、「割れ窓」を生まないかという危惧もしています。
「サービスアルバイト」も増えそう…。
それから、社会保険料の問題もあります。
社会保険料は、年々上がっていて、この先も一定額まで上がることは決まっています。
そこが上がっては、少しばかり時給が上がっても何の意味もありません…。
低所得サラリーマンとしては、自分への効果がまったく感じられない最低賃金の値上よりも
・労働基準監督署の働きを強化させ、中小企業であってもルールを守らせる。
・社会保険への加入義務について、運用を厳格に行う
・個人事業主や会社経営者と、サラリーマンの所得税申告における不平等を減らす※
が、まずは第一と思いますが・・・。
※これについてもおもうところがあるのでまた今度